楽園はどこに?【BL・GL・NL】


例え私が不死身の人間だと言っても、
身体能力、体力は昔と変わっていない。

彼女もまた、普通の人間。


きちんと両足の揃った時に逃げても、
格段に進化した彼らを撒ける訳が無かった



知らなかったのは、
私はずっと、見張られていたという事。

だからすぐに追いかけられ、捕まってしまった。




そうして私は教会の中で、
繋がれて日々を過ごす事になった。

……まあ、磔にされるよりはまし。


それに、彼女は普通の生活をしている。
街の、誰かの家で、暮らしている。

そう知らされたのが、唯一の救いだった。


それを信じて、
私は食物となっていたのに。



ある日、私に食事を運んできた、
彼女と、姉妹も同然だった少女が言った。


「あの子も、囚われているんです」


誰かの家の中で。

もう、私を逃がそうとしないように。


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