千変万化の剣
日本


とある男が庭で剣を振っていた。


「幸大さん、よろしいですか?」

「何?

母さん。」

「私の部屋へ。」




「幸大さん、

10年前、私が言った予言、覚えてますか?」


「ああ。

覚えてるよ。


10年後



俺は戦士として千変万化の剣を持ちこの世界から去る


だろ?」


「ええ。

私が今までしてきた予言の何よりも強いお告げ。

必ず起きます。」


「そもそも、母さんのお告げとか予言は外れたことがないけどな。

その話をするってことは…」


「ええ。

貴方は、もうすぐこの世界から去ります。


…私に止める力はありません。


おそらく、永遠の別れです。」


「幸大。」

「父さん。」

父親が部屋にやって来る。


「何もしてやれないのが残念だ。」


「何を言ってんのさ。


この千変万化の剣をくれたし、使い方も教えてくれた。


そして、千変万化の剣の力を手にいれた。


父さん、母さん、

ありがとう。」



ゴウッ、


庭に突然光が現れた。

「これが、そうなのか。


父さん、母さん、

行ってきます。」


「…。」

両親は無言で幸大を見送った。
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