千変万化の剣
挟撃
数分後


「なんだよ、そう言うことは早く言ってくれよ!」

「行きなり斬りかかった奴の言葉か?


とにかく、挟撃の準備に取り掛かってもらいたい。」


「何言ってんだ?

見な!

準備万端!

おめぇら!

出るぞ!」


「「しゃあああー!」」


「何だ?

お前馬に乗れねぇのか?」

「今日が初めてだ。

イヨ、頼むぞ。」

「はい。」


「そうだ、忘れてた。


俺は

ベンケイ

って名だ。

お前は?」


「ベンケイ…か。

俺は幸大だ。

よろしく。


ちなみに、その頭から先っぽが見えてるが、犬か?」


「そうか、お前は人間だから普通の耳か。


俺は狼の耳だ。


尻尾は昔、切れちまったんだ。」

「切れた?」

「ああ、ネズミ取りに掛かってな。


あのバチンって挟むタイプの。

その時子供でよ。

外そうと思って引っ張ったら尻尾がブチッって…」


「尻尾ってそんなに千切れ易いのか?」


イヨに訊く。


「いえ、ただベンケイさんは昔から馬鹿力でして…」


「ああ…そう。」

雑談している最中に小高い丘に着いた。


「敵にかなり近いが、この丘の上には気が行ってないな。


数はこちらが劣勢。


少し圧されてるな。


ここで逆転するぞ野郎共!


突撃!」


「「しゃあああ!

オオォォォ!」」
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