湖に咲く 一輪の薔薇

―恋華―


拓巳「…この背中の痣、誰にやられたの？」

『お父様』

卓真「っ!?」

『と、習い事の先生達』

水樹「どーゆー事？」


習い事の先生達は本当の事。
あたしは柔道とか空手とか武術をやって来ているから、組み手とかで痣ができることは多々ある。




お父様の事は誤魔化す。

別にバレてもいいんだ。でも、そしたらお母様と卓真を雀都財閥に追い出したのが意味ないから。



だからあたしは、演技をしてきた。




『…卓真も知ってるでしょ？あたしが柔道とかで痣つくってんの。』

卓真「………………」


『あ。言っとくけど、虐待とかじゃないからね？よく間違えられるけど。ｱﾊﾊﾊ』


優弥「本当か？」



『えぇ。たまに道場にお父様来てあたしと組み手やって痣出来てたりしたし？』







拓巳「そっか。良かった」









ほら。
簡単に引っ掛かる。

何で人間は嘘を見抜けないのだろう。



だから人は嘘をつく。






悲しい現実だ。