Five LOVE☆
「よし!!
電子カルテの打ち込み完了!!」

いつものように、事務室で1人、パソコンの電源を落とす私。


「奈留、大会の練習、しないで大丈夫?
アジリティなら練習にピッタリの体育館があるんだ。ハードルとかシーソーとか…全部置いてあるの。

一緒に行こうか?」


雅志の誘いに大きく頷いて、ココアの散歩がてら、体育館に向かった。


広さとしては、小学校の体育館と同じだろうか。

バスケットのシュートも、きちんと点在している。


ふいに雅志先生が、近くにたまたま転がっていたバスケットボールを拾って、シュートを放つ。

それは見事にシュッ。という歯切れのいい音を立ててゴールに入っていった。


「すご…い…」


しかも、スリーポイントの位置から。

高校のときは、バスケ部だったんだよね。
なんて言って笑顔を見せる雅志。
カッコイイなぁ。


「さ、体育館暑いし、ココアもへばっちゃうから、早く練習しようか。」


最初は、なかなか上手く跳んでくれなかった。
最初は、跳んだらご褒美にジャーキーをあげて、チャレンジさせていた。
それから、バーを落とさずに、高く跳べたときのみ、ジャーキーをあげてみた。
30分後、最初のバーを落としたり、ハードルを一つスルーしていたのが嘘のように、完璧に跳べるようになっていた。


気付けば、雅志がいなかった。
荷物はあるから、飲み物でも買いに行ってくれたのだろう。

私も丁度、喉カラカラだったのよね…
そこで突然、私の意識が遠くなった。
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