ある人妻の過去
以前、働いていた保育園から、人員不足を理由に職場復帰を頼まれ、私は断る理由もなく、また保育士として働き始めた。


これを理由に、私は家を出て、裕樹が暮らす部屋に転がり込む。


裕樹の祖母が亡くなるまで住んでいた家に、裕樹も親元を出て、1人で生活をしていた。


毎日、私が弁当を作り、同じ時間に家を出て職場に向かう。


狭い風呂に、体を寄せ合い一緒に入る。


地味だった部屋が、少しずつ明るいカーテンにに変わり、お揃いの物が増えていった。


私が、元彼と果たせなかった時間が、そこにはあった。


やっと、失恋の傷が癒されている事に気付いた。

裕樹を…これからもずっと愛して行こう…そう決めた時、私は22歳になってた。

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