センチメンタル・ギター
#1 瞳の中に広がる世界
大学からの帰り道

少し街から離れたとこに住んでる僕は

自転車でネオン街を通って帰る

綺麗なお姉さんがいたり

酔っ払った親父がいたり


なんだかんだでこの街が好きだった


『…ガチャ』

家に帰り着いて一番にすることは足場を探して電気を付ける

ネオン街の明かりに負けないぐらいの明かりで照らし出される僕の部屋は

CDが散らばった床

買ったばかりの本が山積みになってる机



隅っこで埃を被ってるギターは

希望に満ち溢れて出てきた頃に買った

そして今の僕自身を表しているようで

今は触る気にもならない


『ああ、部屋片付けなくちゃ…』

そう思うだけ

このまま目を閉じて

そこに広がる世界を旅したい

いつもそう考えながら

僕は朝を迎える
< 1 / 28 >

この作品をシェア

pagetop