センチメンタル・ギター
気まずい空気から逃げ出す為に

僕は穂奈美ちゃんを食事に誘った

パスタの美味しい店


「今日のお勧めで」

「じゃぁ、私もそれで」


常連さんになるとこの店の店長はお勧めを出してくれる

「見掛けによらずオシャレなお店知ってるんだね」

「小太りな奴がこんな店にきたら悪い?」

くすりと笑う穂奈美ちゃん

「食事にこだわるから小太りなんだよね」

「そーいうこと」


少しふくよかな身体に

コンプレックスを感じるどころか僕はコレを武器にしている


「鼎君、今日はデートかい?」

店のお母さんが海鮮パスタを持ってきたついでに話し掛けてくる

「デートは気合いがいるからたくさん食べて精つけなさいね」

いつも僕のだけ少し大目にしてくれるのだが


今日はいつにも増して量が多い…


「別にデートとかじゃないからっ」

不敵な笑みを浮かべながらお母さんは厨房に消えてった


食べきれるだろうか…
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