ずっとあなたが好きでした
伊藤くんはカラーガードの皆で会う事を私に提案した。

私は俊也に会えると思い、喜んで賛成した。

伊藤くんが連絡し、皆を集めてくれた。

久しぶりに俊也と会える事になった。

指折り数えてその日がきた。

五ヶ月ぶりに俊也と再会した。

私は高校に入って、驚く位、他校の男子から可愛いと言われた。

登下校途中によくナンパをされたり、コンパでよく連絡先を聞かれたり、私なんかのプリクラが欲しいと言われたりした。

だから、中学生の時よりはずっと自分に自信があった。

久しぶりに見た俊也は背が伸びていて、ますますカッコ良くなっていた。

この五ヶ月間、コンパや紹介で男の子と関わっていたし、免疫はあったけれど、いざ意中の俊也を目の前にすると、昔の様に目を合わす事も出来なければ、話す事なんて到底出来なかった。

せっかく、俊也の近くの席だったのに、全く話し掛ける事も出来ず、ましてや俊也が話し掛けてくれた事に対しても、上手く答える事が出来なかった。

近くにいた違う子とばかり話していた。

ダメだ…

話せない…

今度いつ矢吹くんと会えるか分からないのに…

緊張し過ぎて、全く話せない…

ますますカッコ良くなってて眩し過ぎるよ…

私には無理だ…

俊也と殆ど話せずその日は終わった。

悔やんでも悔やみきれなかった。

私は勇気を出して、伊藤くんに相談した。

伊藤くんは驚いていたけど、すぐにメルアドを教えてくれて

「頑張れよ!矢吹、お前の事、多分好きだったしな!いけるよ!」

と言ってくれた。

勇気を出して、俊也にメールをした。

俊也はすぐに私にメールを返してくれた。

けれど

「今日は楽しかったよ。またカラーガードの皆で集まりたいね。じゃあまた!」

それだけだった。

冬休みに入る前、私は俊也に軽く振られたけれど、伊藤くんやあっこが俊也は私の事を好きかもしれないと言っていたから、少しは期待してしまっていた。

でも、メールの返事は素っ気なかった。

やはり、私に対して、全く気持ちがない事がはっきり分かった。

伊藤くんにどうしたら良いか、また相談をした。

伊藤くんが俊也に彼女がいるか聞いてやると言ってくれた。

俊也は男子校に行っても、かなりモテていて、二ヶ月前に明徳女子の彼女が出来ていた。

ショックだった。
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