ずっとあなたが好きでした
私は俊也の幸せを考えなきゃいけない…

百合子って人との事を邪魔するんじゃなくて、俊也が幸せになれるなら、それを祝福してあげないと…

いつまでも私は俊也の傍にいられない。

いたらいけない。

それに…

もう、これ以上俊也に近付く女の子達にも嫉妬したくない。

私、どんどん醜くなっていってる。

見苦しい人間になりたくない。

こんな情けない姿、俊也に見られたくない。

もう疲れたよ。

俊也と女の子達の関係を気にするのも嫌だよ。

もうやめたいよ。

もう無理だよ。

私、俊也に好かれてるなんて思えない。

だから、俊也を疑ってしまう。

信じる事が出来ない。

もうダメだ。

終わりだ。

終わるのが一番良い。

でもきっと、これからも私は俊也を嫌いになる事なんてない。

だから、このまま付き合っていけば、どんどん私は俊也の事を好きになる。

俊也が煩わしいと思う位、私は俊也を好きになる。

もし、そんな時、俊也に別れて欲しいなんて言われたら、私はどうすれば良いんだろう?

どうなっちゃうんだろう?

考えるだけで怖い。

私は俊也と別れられなくて、俊也を困らせて迷惑をかける。

それに私、前に進めない。

俊也を引きずって前に進む事が出来ない。

お互いの為に私達が付き合う事はきっと良くない。

元々、付き合うべくして付き合った二人ではないのだから…。

今ならまだ気持ちに蹴りをつけて次に進める。

終わるなら、早ければ早い方が良い。

遅くなればなる程、別れが辛くなる。

本当は俊也の事大好きだし、ずっと一緒にいたい。

でも、私は俊也が想ってる優しくて強い人にはなれなかった。

失格だ。

俊也の前だけでも、優しくて強い人を演じていたい。

演じきって終わりたい。

そして、いつか仲の良い友達として俊也の事を見つめていたい。

友達で良いから、俊也の傍にいたい。

友達だったら、女の子達に嫉妬したり、俊也を疑ったりしなくて良い。

醜くくならずにすむ。

別れよう。

もう、どうにもならない。

でも、何で?って言われたら何て言えば良いんだろ?

どうしよう…。

私の携帯が鳴った。

私、俊也に連絡してない…。

「もしもし?」

「香、今どこだよ?」

「ごめん。」

「え?どうした?俺、さっきから何回も電話してるんだけど、何かあった?」


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