【B】君の魔法





「では、
 雪路さんのデスクは
 あちらね」



促された場所に
着席するものの
次の指示はない。



他の秘書室の人たちは
優雅な足取りで
着々と仕事をこなしてる。



「心さん、
 そのファイルと一緒に
 会長の部屋へ」

「はい。柳さん。
 確か来客予定は
 11:00でしたね」

「えぇ。
 昼食も兼ねて接待予定の
 日本懐石予約してるわ。
 最終確認もしておいて」


時折、
交わされる会話。



その中に
入りたいと思うのに
完全に指示がない。


< 101 / 339 >

この作品をシェア

pagetop