【B】君の魔法
……耐えられないわ……。
この屈辱。
ふと、
携帯を見つめる。
バイブが告げる
電話の向こう側。
陽菜。
「もしもし」
「尊子、やっと捕まった。
今から私、
お昼なの。
尊子も今からだったら
一緒にどう?
一階のエントランスで
待ってるから」
陽菜の声が
優しく入り込んでくる。
「えぇ。
陽菜、私も今から
お昼入るの。
エントランスに行くわ」
荷物を持って、
クリスタルエレベーターに
乗り込み、
一階へと降りていく。