【B】君の魔法




病院に駆け込んで、
受付を済ませると
担当医らしき人が、
謝罪しながら、
ゆっくりと頭をさげた。



「残念ですが、
 お子様は流産しました」




申し訳なさそうに告げた
ドクター。








その言葉に……
心の何処かで、
ほっとする俺自身と
罪悪感を抱く俺自身が
意識の中で混在する。









眠れぬ夜は……
ゆっくりと、
俺たちを
闇のスパイラルへと
誘っていく。





光の届かない
暗闇の中へ。

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