【B】君の魔法






鞄に忍ばせてきた、
辞表を……
彼のデスクの引き出しに
ゆっくりと置く。





彼が愛用する
曇りのひとつない、
デスクに触れる。




スタッフの居なくなった
会長室・
秘書室の電気を落として
クリスタルエレベーターに
乗り込んで、
エントランスに降りると、
最上階へと再び戻して、
ロックをかける。



シーンと静まり返った
社内を後にすると、
ネオンが煌びやかな
街の中へと
紛れていく。




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