【B】君の魔法
穏やかな口調だけど……
敵意剥き出しの醜さを
うまく誤魔化して
自己紹介をしていく
静香さん。
静香さんに
紹介された華南さんは、
私を軽蔑するような眼差しで
睨みつけると
すぐに視線を逸らす。
最後に紹介された
心さんは、
控えめに笑みを浮かべた。
心さんが一番……
年下なのかもしれない。
だけど……
その表情は、
私が招かざる存在なのだと
はっきりと
気づかせてくれた。
笑顔の裏側に
潜む……思いを……。