王子様の溺愛カメラマン
「じゃあ私、お風呂に入ってきますね?」
にっこり微笑んでリビングを出ていくオカン。
「は……?お前まだ入ってなかったの?」
「………」
「もしかして立ち聞きしてたのか?」
「ええ。都合が悪かったかしら?」
親父の顔から笑えるほど血の気が引いた。
「ち…違うんだ加奈子!あれは過去!大昔の話じゃないか!」
ズンズン進むオカンの後を必死についていく親父。
「俺は加奈子一筋だよ!そうだ、背中でも流してやるよ!」
そしてそのまま親父とオカンは風呂場に消えて行った。
「…………」
「…………」
俺とエマはそれをポカーンと眺めていた。
こうして―――…
結局エマは俺の部屋に泊まることになった。