王子様の溺愛カメラマン
「日向くんの家族すごく明るくて羨ましいよ」


「そうか?…まぁうちは明るさだけが取り柄だからな」


俺は苦笑いしながらなんとか布団を敷き終えた。




改めて見ると…

マジで申し訳ない汚さだ…


狭い部屋はベッドと布団と机と撮影機材で埋め尽くされ足の踏み場もなくなっていた。



エマが来るなら掃除してもっとマシにしたかったぜ…



男の諸事情関連(主に雑誌)だけはなんとかエマが部屋に入る前にベッドの下へ蹴り飛ばしたけど。



「お布団ありがと~」


エマは今敷いたばかりの布団の上にちょこんと座った。



「お…おぅ」





とにかくエマの隣はダメだ。

俺は自分のベッドの上に座った。







「…………」

「…………」






そしていきなり訪れる沈黙。





なんだよ…この空気は…!


何とも言えない絶妙な緊張感と居心地の悪さが部屋を包んでいた。




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