王子様の溺愛カメラマン
ガチャ……


しかしドアを開けた瞬間、私は目を見開いた。


「!?」





だって……

正面の窓の外に
日向くんの姿が見えたから。





………え!?

……なんで??!



窓の外の木の枝に日向くんは捕まりながらこちらに向かって叫んでいる。


『エ マ~~!』



いつかの夜這いの日とデジャブした。


だけどあれはまだ秋も初旬の頃だった。


今は12月。

夜にもなると気温は0℃を下回ることだってあるのに…






私は慌ててガラッと窓を開けた。


瞬間、冷たく肌を切るような風がビュウと吹き込んできた。


うっ…やっぱりさむ~い!






日向くんはあの時と同じように枝からこちらに飛び込んできた。



ドサッ

「いてッ…!」


スライディングで着地した日向くんは足を擦っている。


「な…何やって…」


「さ…さみぃ!
エマがあと5分遅かったら俺マジ凍ってたぞ!」


私の言葉は無視して

日向くんは体をガタガタ震わせながらベッドから毛布をひったくった。



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