王子様の溺愛カメラマン
「気をつけてね」


「おぅ!絶対手紙書くからな」



とびきりの笑顔で私の頭をぐしゃぐしゃにする日向くん。


そんなに嬉しそうな顔しないでよぅ…





「あ、んじゃそろそろ時間だから」


「……うん」


「あはは、んな顔すんなよ」



日向くんはぐしゃぐしゃになった私の頭をポンとやると


最後にまたお日様みたいな笑顔をくれた。




んな顔すんなよ…はバカ日向の方だ。







「じゃ~なエマ!いってくる!」


そして搭乗ゲートに消えていく日向くん達。





残された私は笑顔で手を振りながら


『行っちゃヤだ』の一言は最後まで心に閉じ込めた。




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