王子様の溺愛カメラマン
ビックマックとチーズバーガーを乗せたトレイを持って細い階段を上がると


窓際の席でエマが待っていた。



ノースリーブから伸びる白くてなめらかな腕。


横顔にゆれる長いまつ毛に、俺は思わず突っ立ったまま見惚れそうになる。



やべー…

どうしよう。

スゲー興奮する。




ここまで俺がそう感じるのは、エマが単純に美少女だからって訳ではない。


確かにエマは美少女だけど、真由美だってきっと同じくらい綺麗だと思う。


ただ…エマは俺のど真ん中過ぎた。


好きとかの感情じゃなくって。


例えばすげー好みのカメラとか風景を見つけた瞬間の興奮。






俺が探していた被写体がここにいた。








はやる気持ちを抑えて…

俺はゆっくりとエマの席に足を進めた。



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