王子様の溺愛カメラマン
「あのな~お前。そういうデリケートな部分は普通放送禁止だろ」


「ごめ…」


日向くんは真っ赤な私のおでこをもう一度ピンと弾いた。


「っ!い、痛すぎるよ!」


「あはは」


日向くんは大きな口で笑うと軽く腰をあげた。



「じゃあ俺そろそろ帰ろっかな~」


「え?もう?」



すごく楽しかったのに…

せっかく日向くんとうち溶け合えた気がしたのに。


そんな私に日向くんは小さく笑うと私の髪をくしゃくしゃにした。



「だってこれ以上は色々ダメだろ?」


「へ?」


「俺も年頃だし女の子に興味あるからさ」


「!」


ボンッと赤くなった私をからかうように日向くんはもう一度笑った。


「今夜は楽しかったからこれは特別にお前にやる」


日向くんは持って来たお菓子を私に託すと窓枠に足をかけた。


「おやすみ、エマ」


「お…おやすみ」



日向くんはニコッと笑うと、そのまま夜の闇に消えて行った。


私は…いつまでもドキドキが消えなかった。




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