仮病に口止め料


『元気な太陽が似合う空の下、爽やかな朝に制服を着た学生カップルが仲良く二人で登校の図』は、

まあまあ都会でぼちぼち田舎臭いメンバーが集うマドカ高校だと夢物語に近いとされている。

プラス、憧れの先輩が車持ちの社会人カレと大胆にいってきますのチューをしている刺激的な状況を目撃した甘い経験は一度もない。


なぜなら、中学の延長で付き合っていても他校だったり、待ち合わせたくても家の方面が違ったりで、

また、思春期らしく周りの視線が気になったり、恋人優先よりは友達付き合いがあったりで、

ロマンチックに彼氏(カノジョの手作り弁当が入ったキャラクター物サブバック持参なら尚良い)と、

彼女(二人乗りの場合カレシのお腹に腕を回し横座りをするのがマスト)が、

ラブラブ朝っぱらからベタベタできない事情があるためだ。

< 2 / 222 >

この作品をシェア

pagetop