白いジャージ7 ~先生とプールサイド~






直に会いたい一心で、片付けを急ぐ俺に、水谷先生が言った。





「大事にしてくださいね。矢沢さん。あんなにも必死で守り抜いたんですから」




「やっぱり、知ってました??」





水谷先生にはバレてる気がしてたんだよな。




「まぁね。でも、あんなにモテていた新垣先生を落とした矢沢さんってすごいなぁ」





水谷先生は、あの日・・・・・・気を利かせて席をはずしてくれたんだろう。



体育の授業で倒れた直を俺が送って行ったあの日。




あの日、俺は気付いたんだ。



はっきりと。




ぼんやりと感じていた直への想いが、愛なんだと。







「また連れてくださいね。高校に。話したいんで」



「ええ。喜ぶと思います。話しておきますね」






畑中達は、ケータイ片手に女の子達にメールを送っているようだった。




「アドレス交換成功したのね~」




そう呟いた水谷先生の横顔には、少し寂しさがにじんでいるように見えた。





「じゃあ、またな!」



「またね、先生!」



「お疲れ様~」




みんなと別れてから、学校に資料を忘れたことを思い出した。



早く家に帰りたい気持ちを抑え、学校へ向かう。



体育教官室には、岡崎先生がいた。



試験問題を作っている岡崎先生の相談に乗ってから・・・・・・





俺はようやく直の元へ。




車の中で、深呼吸をして・・・・・・



直に伝えたいことを整理した。





うん。


大丈夫。




早く帰ろう。







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