白いジャージ7 ~先生とプールサイド~




「新垣さん、どうぞ」




私が立ち上がると先生まで一緒に立った。




「大丈夫だから。安心してね」




「あ、そっか。うん。わかった」




心配そうな先生を待合室に残し、診察へ。



産婦人科はやっぱり緊張する。




だって・・・・・・恥ずかしい、よね?



知らない人に見られるんだもん。





「い、痛いっ」




声が出てしまった。




「尿検査の結果では、妊娠反応があります。でも、まだちょっと早いのかな。胎のうは確認できないなぁ。また来週来てくれる?」





気さくなおじいちゃん先生だったので、先生も安心するだろう。





「妊娠おめでとうって言いたいけど、それは次の時にするね」





そう言って、優しく微笑んでくれた。




その後、わかりやすい言葉でゆっくりと説明してもらい、ようやく理解できた。



確かに妊娠はしているみたい。




でも、子宮の中にはまだ妊娠を確認できるような変化が見られない、とのこと。



胎のうという袋みたいなものができて、その中で赤ちゃんが育っていくんだって。



だから、今の段階では、もう少し待ってみないとわからないんだって。




嬉しい気持ちと、ちょっと心配な気持ちが入り混じり・・・・・・




複雑な表情をしていた私に、おじいちゃん先生は言った。





「大丈夫、大丈夫。また来週ね」





この病院で出産したいなって思った。



すごく安心できたんだぁ。







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