涙を知った後。
"土田蓮"
そいつの顔を知ったのは本当に偶然だった
塾が終わるのは10時
それはいつもの事。
だけどその日
いつもの街を歩いていたら
凄いものを見てしまった。
建物の間で倒れる沢山の人…
そしてぽつんとたって
ポケットに手をつっこんでるやつ
その日は満月で
明るかったため、髪が銀だったのはわかった
え、こわ。
普通に怖いだろこれ。
そう思って逃げようとしたとき
隣にいる紅葉が声をあげた。
「蓮くん!!!」
建物の陰で顔はみえなかったが
紅葉のその一言でそいつは振り返り
一歩前に足をだした。
その顔を見て、ハッとした。
銀髪男の正体は紅葉のすきな
土田蓮…。
でもそいつは
返り血で顔に無数の血がついてた。