そんな君が愛しい
「ごめんね?俺、用事あるから1人で帰るわ。」
その言葉に
女の子は肩を落として
「ケチー。
途中までで良いから
入れてよぉ」
と駄々をこねる。
「…だって、そんな事したら
俺も濡れるじゃん(笑)」
冗談まじりで一ノ瀬は
そう言うと
傘をさして雨の中を
歩いていった。
そんな彼と
偶然にも同じ方向だった沙葉は10mくらい距離を置いて
一ノ瀬の後ろを
歩いていたらしい。
すると一ノ瀬が
急に足を止めた。