逆ハーレムゲーム★☆



見て分かるように、看護科と普通科は別の校舎だった。

明らかに真新しい看護科。

普通科はパンフレットで見た限り、大きくて綺麗な所だった。


…あ、リニューアルしたんだっけ?


なかなか進まない足取りにいらついていたあたしは、聞こえて来た声に気付いて止まった。



「おい、桐生」



…あたしじゃないのに。

なに止まってんだろ…



「全く、お前はなぁ…
入学式早々遅刻する気か?」



どうしよう…怒られてるよ…っ

気になって、顔を向けると、先生らしき人と生徒がいた。

動けないあたしは、それを堂々と盗み聞き状態。



「だいたい、何だそのアクセサリーはー…」



あ、やば…

目がああああぁぁぁ…



「あぁ…君が日向さんか?」



あたしと目が合うなり、やんわりと笑顔を見せた先生。

あたしは、言葉が出ず…

引き攣った笑顔を返した。



「…は?なんで…女?」



そんな先生の陰から、驚いた顔の男子生徒が見えた。


う、わ…


あたしは、“その人”を見て言葉を失った。



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