本気だからねっ!
「あの……私みたいなのが杏乃ちゃんと仲良くしてもいいのかな……?」


不安そうな顔で聞いてくる志穂ちゃん。


「……ぷっ。あったり前じゃん!!
あたし、志穂ちゃんみたいな可愛い子と友達になれて嬉しいよ!」


正直、志穂ちゃんは影の薄い子だった。


決していじめられてるっていうようなことはなかったけど。


でも、誰とも仲良くしたところを見たことがなかったし、お昼休みになっても一人でお弁当を食べて、読書か勉強をしているような子だった。


みんなに名前が知られていないくらいだしね。


だけど、今日志穂ちゃんと話してみて、志穂ちゃんはすっごく可愛い子だってわかった。


「ずっと、仲良くしよ!!約束ね!」


あたしは小指を志穂ちゃんの前で立てた。


「えっ……?」


「指切りだよ、ゆ・び・き・り!!」


あたしが小指を立てた意味がわかっていない志穂ちゃんに説明する。


「あ、そっか!うんっ、約束!!」


あたしたちは指切りをして教室に向かった。










< 202 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop