本気だからねっ!
あたしは助けたくても助けられなかった。


あたしが空手五段とか、柔道三段とか持ってたらいいんだけど、そんなの持ってないし。


武器もなにもないから素手で立ち向かっていくようなもの。


こんなんだったら、あたしもやられる。


あたしは他に誰かいないか回りを見たけど、やっぱり人なんかいなくて。


しょうがないから他の委員を探しに出た。


………でも、なんでこんなときに会っちゃうんだろう。


しかも、最悪な形で……。


「………瑞模君……」


そう、あたしは瑞模君を見つけてしまったんだ。


ふと見た陰のとこに、知らない女の子と二人でいるの。


「……仕事さぼって彼女とイチャイチャデート?
いいご身分ですね。


………瑞模君なんて最低!!」


あたしはそう台詞を吐き捨てると、思いっきり走り出した。


後から瑞模君が追ってくる気配もない。


………何を、期待してたんだろう。










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