それはまるで粉雪のように
「あれ~…おかしいなぁ……」

どこを探しても見つからない美帆の携帯。

「落としは……してないよね……?」

最後に触った時間から今までの記憶を巡る。

「…………あっ」

ひとつ思い当たる節があった。

「あっちゃ~……学校のロッカーの中だ~……」

今日の昼休み、教室の後ろで友達と喋っているとき、職員室から呼び出しを受けた。その時スカートのポケットに入れていた携帯を、個人ロッカーに入れたままにしていたのだ。

「明日クラス会なのに……連絡は汐見に頼もうかな……」

美帆はクラス会の連絡を、親友の豊川汐見に頼むことにした。
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