それはまるで粉雪のように
「あ、もしもし、汐見?」

階段下にある固定電話から汐見に電話をする美帆。

「美帆、どうしたの?家の電話から電話って……」

「それがさ……学校に携帯、忘れちゃって……」

「まったく何やってんのよ」

笑って対応する、汐見。
「で?私はクラス会の連絡をすればいいのね?」

「さすが汐見!頭の回転が早い!」

「当たり前でしょ~。私を誰だと思ってるの?」

「それは失礼しました!」

お互い笑って受け答えする。

「じゃあメールアドレス知ってる人には連絡しておくよ?昼休みに話した内容でいいんでしょ?」

「うん、お願い」

「分かったよ。それよりさ……」

「え~!?それホント!?だったらさ……」

2人の電話は親に注意されるまで続いた。汐見に関しては普通に楽しいことなのだ。が、美帆に関しては今日あったこと、辛かったことなど全てが忘れ去られるくらい楽しく、そしてそのままいっその無くなってしまえば、と思ってしまうような時間だった。
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