もう会えない君。
「おめでとう」という言葉が飛び交い、私は嬉しさと恥ずかしさでいっぱいになった。
馴染めていなかったクラスメイトに祝福してもらえたと思うと嬉しくて…。
こんな私でも幸せになれるんだって思った。
想いは届ける事に意味があるんだって実感した。
逃げてばかりじゃ、伝わるものも伝わらない。
きっかけをくれた鈴奈さんに感謝しなきゃ!
あの人があの時、教室に来なかったら…私はまだ想いを伝えられずに誤解し続けていただろう。
私はどのクラスなのかも分からない鈴奈さんに心の中で“ありがとう”と囁いた。
決して聞こえる事のない声で。
ねえ隼…
私が間違っていたのかな?
想いを伝える事が罪だというのなら、私は自分の気持ちに嘘を吐き続けていた方がよかったの?