チューリップの王子様

女の子2人に付いてきてたどり着いたのは、中庭みたいな所

芝生が綺麗に整えられていて、色とりどりのお花が咲いている


「あなたの仮面、素敵ね」

「あ、ありがとう」


1人の女の子が、私の仮面に触れながら言う

だから、私は素直にお礼を言ったら、もう1人の女の子が首をひねって言った


「…あなた、どこの誰?私、結構パーティー参加してるんだけど…あなたの声、聞いたことないわ」


その言葉に、ドキッとした

だって、私は存在していない子

素顔を隠す仮面舞踏会だからこそ、私は今回参加できただけ

普通のパーティーに参加なんかできるわけない

声を聞いたことが無いなんて、あたりまえだ

でも、私にはそんな説明は出来ない

だから、女の子達が聞いても、黙ることしかできない

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