チューリップの王子様

「また、怖い夢を見たら俺が起こしてあげるから…」


グレイ様がそっと私の頬に手を添える


「俺が現実に戻してあげるから…なんなら、現実を感じさせてあげるよ」


優しく私に笑うと、グレイ様の顔がグッと近づいた

2人の唇の距離が1cmのところで止まる

グレイ様が私の目を見つめる

…たぶん
私が目を閉じるのを待ってる

キスするかしないかは…
私次第…

この恋は報われない…
恋をしてはいけない相手…


でも、気持ちには逆らえない

私はゆっくり瞳を閉じた

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