チューリップの王子様

そして、夜になり
私は今、グレイ様の部屋で机を挟んで、グレイ様と対面して座っている

そして、グレイ様が口を開く


「俺にはね、妹がいたんだ」


それは、初めて聞く事実
この国に姫様が存在していたなんて、誰も言っていなかった


「…知らないのも、無理ないよ。国民もココの使用人にも、流産したって伝えたからね。でも…あの子はちゃんとこの世に産まれて来たんだよ」

「え、でも…」


産まれて来たなら、なんで流産なんて嘘をつかなきゃいけなかったの?

ってゆうか、産まれて来たならなんで居ないの?


「産まれてすぐに死んだんだ…ううん、殺されたんだ」

「え…?」


殺された?
産まれてすぐに?
なんで?

そこまで、考えて私はハッとした

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