チューリップの王子様
「カノン…お母様亡くなったの?」
グレイ様の問いに頷く
「お母様が息を引き取った次の日に、私はお父様によって売られました…」
今でも、昨日のことのように思い出せる、冷たいお父様の瞳
「目が赤いだけで…生きていちゃいけないなんて…産まれて来なければ…なんて」
目が赤いだけで、私の全てを否定したお父様の言葉
今でも私を苦しませる
「そんな、馬鹿みたいな話。俺がぶっ壊す」
「…え?」
いきなり、グレイ様が言い出した
驚いて涙も止まる
「目が赤いから、産まれて来なければいい…?そんなの、間違ってる。…ブラッド・アイなんて言葉ごと、俺が潰してやる!」
っと、高らかに宣言したグレイ様はすごく格好よかった