秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*
――シュンサイド――
『でも事実だし…いいじゃない別に』
『事実かどうかはこの際どうでもいいんだよ』
『なんでよ』
『ちょっと考えりゃ分かるだろ』
『分かんないわよ』
『……バカなのか?』
『失礼!!』
リジュとカエデも大概おもしれェ漫才をすると思う。
二人して本気なんだからまたおもしれェ。
マヒロがごそごそと準備をしている間、二人はずっと言い合い続けていた。
『あのね、妻を一途に愛するっていうのはいいことだと思うけどね、他の女だって女なのよ? もうちょっと丁寧に扱いなさいよ』
『だからなんであえて妻と表現する』
『だから事実なんでしょ?』
『事実かどうかはいっそどうでもいいっつったろ』
「かっくん分かんなーい!」
一瞬途切れた瞬間、マヒロが声を上げた。
弾かれたように振り返るカエデは、恐らくもう言い合ってたことなんか…というかリジュのことすら忘れ去っていそうだ。
「おま…そりゃねぇだろ…」
「なんで?」
「いくらなんでもやったことないわけはねぇだろ?」
「うーん…まあ」
どうやら弦の張り方がいまいちわかってないようだ。
今までどうしてきたんだ…?
「こーお?」
「そう」
「なーんだ合ってたのか」
嬉しそうにくるくる回し、カエデににっこりと笑いかける。