秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*
『ちょっとっ。真緒?』
「あーごめん忘れてた。とにかくね、中継はないよ。テレビカメラ等マスコミ関係その他ぜーんぶお断りだから」
『はあ!? なにそれ!!』
いや…だってね。それがね。
ずっと考えてたんだけど、思いつかなかったんだ、いい方法。
ほら、武藤真緒の件はどうするのかってやつ。
だからめんどくさくなって、いっそ顔を出さなきゃいいんじゃね? っていうかなりアバウトな方向で行くことにした。
まあ、バレたらバレたでそれでいいやっていう思いもあるしね。
「これからゆっくり考えることにするよ。とにかく今日は、会場限定❤そんじゃね~」
『あちょっ…ま、待ちなさい真緒っ…ブツッ』
…ふっ。
あとが怖いぜ。
携帯を鞄の中に投げ入れ、控え室での準備が始まった。
『本日は』
『どのような』
『コンセプトに?』
『んっとねー任せるよ』
『かしこまりましてございます』
『ございます』
『ます』
……相変わらず面白いねその喋り方。
いつ聞いても飽きないよ。
『それではお着替えはこちらになります』
『髪飾りはこちらになります』
『グロスはこちらになります』
『きゃっ❤可愛い♪』
そんな召かしこむことないじゃんって言ったことがあるんだけど、そのとき三人に同時に『なりません!!』って怒られて、すんごい怖かったからそれ以来言ってない。