秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*
静かに頷き合うリジュとシュンをちらりと見やり、時計に目を移す。
あいつ…色々大丈夫だろうか。
もう色々としか言いようがない不安が徐々に広まっていく。
なんかもう、些細なとこから心配だ。
…そして心配しだすとキリがないわけで。
いてもたってもいられなくなり、思わず立ち上がった。
控え室を覗きに行こうと思って。
『あん? どこ行くんだよカエデー』
『ちょっとトイ…』
『マヒロのとこか』
『マヒロのとこね』
『マヒロのとこだ』
『……』
…そうだよ悪いか。
なんなんだこいつら。
ふいっと無視して小走りに会場を出た。
階段をいくつか上り、並ぶ扉の一つを、ノックもせずに開けた。
「まひ……ろ…」
「あ、かっくんいいところに!」
『真裕様が』
『お着替え中です』
『出て行ってください』
『いいのよいいのよ彼はわたしの主人だから』
『そうでございましたか』
『申し訳ありません』
『旦那様』
……なんだこの……ヘンな感覚。
同じ顔が同じ表情で階段みたいに喋る。
…つーかしかもまだ着替えてんのか? 開演十分前だぞおい。