秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*
「身の程知らず? 生意気はあんた達よ。どっちが身の程知らずだっつーの。あたしの真緒そんな風に言ったら…! 楓が許さないわよ!?」
「いや、そこはお前やろ」
修平の突っ込みは最もだが、こんなのと同じ意見を言うのはすっごく癪だから黙っておいた。
「どういう意味やねん!?」
「高橋さん…!」
「い、行きましょ」
突然弱気になって去っていく彼女達。
なんか…怯えてたねぇ…。
「な、なによ。逃げることないじゃない。そうか! 怖いのね?」
「そりゃあ恐いだろうね。君が」
「失礼ね!」
…正直、真緒ちゃんのことを認めてくれているのはこの学校でSクラスのメンバー以外にいない。
バイオリン科では特に嫌われているみたいだ。
名前も知らないし名のある高校も出た気配がない。
それなのにいつも楓と一緒にいて、おまけに他の男子にもだいぶモテる。
ま、女の嫉妬なんてそんなものだよね。
結局はモテる女が嫌いなのさ。
真緒ちゃんは天然の可愛さだからね。ああいう子が男は好きなんだよね。
まあ楓がいい虫除けになってるけど。
でもこれで、それも効かなくなっただろうな…。
真緒ちゃんはフリーだと思われた。
現に…。
「星野は藤峰真裕と結婚したんだろ!? じゃあ…!」
「ああ…! 真緒ちゃんはあいつのものじゃなかった…!」
…男たちは浮足立っている。
本人今、ウィーンなのにね。
帰ってくるの二年先なのにね。忘れてるなあいつら。
「あ! でも! …今、星野と同じ留学先に…!」
「く、くそっ…」