Strawberry & Happy Birthday

「大丈夫大丈夫!!悪いのは全部蜂野郎なんだし。責任は全部やつに取らせるから。それに向こうだって新岡カンパニーを相手取る気はないって」





新岡カンパニー?



って、確か八王子グループと肩を並べる大企業の…?







「そうそう。そこのご令嬢なんだよ撫子は。だから向こうも下手に手は出してきたりしないからさ」



「その根拠はどっからくるんだよ」



「ホントに大丈夫だってば。心配性だな常務サンは。今からそんなんじゃはげるぞ?
それにたとえ何かあったとしてもさ、今度はあたしが何とかするし。命懸けてね」



「命懸けるとかまた大げさな…。てか、すみれの友達だからって水山さんがそこまでする理由がわからないんだが」



「理由ねぇ…。ま、色々あったからね。強いて言うなら…そうだな。
長倉と命清はあたしの命を拾ってくれたんだ。所謂命の恩人ってやつ。
そして撫子はあたしたちの〝光〟だから。その為ならなんだってやるさ。命くらいヨユーで懸けるよ。
……そんなわけだから!あたしちょっくら準備があるんでそろそろ失礼するわ。常務サンももう戻ったほうがいいよ。命清が暴れださないように見張ってってねー!じゃーまた後でー!!」






高いテンションのまま水山は会場裏に走っていってしまった。




心配するなと言われても、何か企んでいると聞かされた以上心配せずにいられるか。



けど、何を言っても止まる気はねぇだろうしなあいつら…。






とりあえず今はすみれを捕まえておく方が先か。





………それにしてもすみれが水山の命の恩人とはな。



あいつら一体どんな学生時代を生き抜いてきたんだよ。

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