Strawberry & Happy Birthday
-「どうしてこれを…!?あの時私は捨てろと命じたはず…!」-
-「申し訳ございません奥様。あの日から私めがずっと保管していました。命令違反の罰は何なりと受けます。
ですが私は本邸でもこの別荘でも柾坊ちゃんのお世話をしておりました。坊ちゃんと椿様のことも存じ上げております。あのお二人は本当にお互いを想い合っておりました。
ですから私にはどうしてもこの手紙を捨てることができなかったのでございます。
いつか…奥様の心の整理がついた時、もう一度この手紙を差し出そうと心に誓っていた次第でございます」-
…私は使用人から手紙を受け取ったわ。
心の整理がついたわけでもないし、椿さんを許したわけでもないけれど。
でも柾が日本を旅立ったあの日、椿さんが私たちに何を伝えたかったのか疑問に思っていたのも事実だったから。
だから私は手紙を読んだわ。