パラレルライン

#8 百合の好きな人






―――それから数日後。

学校の昼休み、あたしは自分の席で携帯をいじっていた。


「なぁ大原!!昨日百合ちゃんが…………」

あ、龍太郎があたしの前の席の椅子に腰掛けてきた。





龍太郎がアイスをくれたあの日から、

龍太郎に対するモヤモヤが消えた。


と、思っていた。



それなのに、龍太郎ののろけ話は相変わらず…


…今思えばあの時のあたしは

アイスを貰って丸く収められた感じだったのかも。

アイスにつられてご機嫌になってただけかも。



……それって情けな!!



「おい聞いてんのか大原!また食い物のこと考えてたんか」


図星なんて言えない……





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