パラレルライン



「よかった!」



龍太郎はその一言だけ呟くと

じゃ、と片手を上げて立ち去った。



だんだん小さくなる龍太郎。

見えなくなるまでその姿を見ていた。



龍太郎の姿が見えなくなったとき、
あたしはモヤモヤが消えていることに気づいた。



龍太郎、ありがとね。



やっぱり、龍太郎は仲の良い友達でいたい。

龍太郎のおかげで、また元に戻れそうだよ。



あたしは家に入って袋からアイスを取り出した。

ちょっと溶けてるけど、
すっごく美味しい。




メロンパンより良かったかも。



あたしから自然と笑顔がこぼれた。





< 71 / 102 >

この作品をシェア

pagetop