Innocent shine―光の道しるべ―
毎度のやり取りに、悠希が


「キツいなー」



と苦笑いを浮かべると、



「ね、今日一緒に帰ろうよ」


悠希の言葉に目だけで微笑んだ美緒が、明るい声を上げた。


美緒の真ん丸の瞳には、楽しげな光が輝いている。



「テスト終了の打ち上げしよう!」



そんな魅力的なお誘い、断る理由なんてない。



「行く行く!」



悠希がふたつ返事で了承すると、美緒はふわりと笑った。



「よーし、しんどいけど頑張るかなぁ。夏休みに補習は勘弁だし」



悠希は右手にノートを持ったまま伸びをすると、大きく深呼吸をした。



雨上がりの香りが胸いっぱいに広がる心地好さに、夏の訪れを感じた。




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