Innocent shine―光の道しるべ―

〈2〉

シンと静まりかえった教室内に、各々がペンを走らせる音だけが響いている。


悠希もその中の一人として必死に答案用紙を埋めていたが、最後の設問に答えを書き入れると、そっとシャープペンを置いた。


テスト最終日の最終科目、英語。


勉強しなかった部分については勘で答案を埋めたが、厳しめに自己採点をした様子でも、まず赤点は免れそうだった。


安堵感にほっと息を吐く。


終わった……。



……と言うより、終わらせたのだけど。



時計を見ると、終了時間の7分前だった。
見直して考え直せば、勉強していなかった部分についても1問くらいは正解が得られるかもしれない。


けれど、5日間体力と神経を磨り減らして、もうそんな余力は残っていない。
何より、一度自分の中で終了の見切りをつけてしまっただけに、集中力が完全に途切れている。


自分にそう言い訳をして、悠希はテストを「終了」した。



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