世界で1番君が好き
夜、時間が余ったので本でも読もうかと思った時、携帯が鳴り響いた。

糸山君からだった。電話をとると、明るい彼の声が聞こえてきた。

「圭ちやん?今電話大丈夫?」

「いいよ。でも京君とお泊まりしてるんじゃなかったっけ?」

「あいつ今、風呂」

「そっか」

なぜ、糸山君は私に電話をしてきたのだろう。

「京君と桜さんのことだけど、まだ連絡取り合ってるみたい」

胸に何か鋭いものが刺さったようだった。

いきなり苦しくなって呼吸ができなくなった。

「そうなの…」

そう言うのが精一杯だった。
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