黒猫
あたしの舌打ちは
静かな廊下に響き渡った。
あ、いけないいけない。
ここではちゃんと普通の女の子
演じなきゃいけないんだった。
焦って周りを確認したが
人が居る気配は無い。
あたしは安堵の溜息をつき
ほっと胸を撫で下ろした。
よかった、周りに誰も居なくて。
「ねえ、君」
「可愛いね、名前何て言うの?」
「女の子がこんな所に着ちゃ危ないよ?」
さっきの廊下を少し進んだ所で
またまた頭のカラフルな不良に
今度は絡まれてしまった。
あたしは話しかけてくる不良達に
ニコっと微笑む。