何千年の夏休み
―プワァァアア
重い音が響く。
『あぶねえだろコラぁあ!!!』
低く重い運転手の叫び声。
『…あぶな…っ』
それと同時に男にしてはまだ高い叫び声。
『きゃああああ!』
高い悲鳴。
『な…っ』
大嫌いな人の声。
色んな叫び声が一度にして聞こえた。
ドカンッ…!!
重い音と共にその叫び声は消えた。
ゴツ…ゴツ…
重い音を鳴らしてバウンドするまだ青いリンゴ。
ある程度バウンドするとゴロゴロ…と道端を転がった。
商店街の帰りだったのだろうか?
この…男の子は。
……樹月は。