いわば、勿体無い
「…違うよ、気になる人なんて居ないから大丈夫」




もう慣れた。



こうして陽ちゃんに「相手にされてない」とわかる発言をされる事には。



それでも、そんな酷な事に慣れてしまっても気持ちが消えないのだから仕方ない。




笑顔を作って話題を変えて。



そのまま他愛も無い話をしていれば集合場所である神社が見えてきた。



時刻は7時に到達していないのに、そこにはすでに見慣れた顔がたくさん並んでいた。



「お前ら遅ぇって!」



「まだ時間になってないだろ」




クラスの男子が声をかけてきて、それに笑いながら答える陽ちゃん。



その向こうでこちらをチラチラと見る視線に気付く。
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